とあるレストランの入口、お客様の靴の汚れを落とすために足拭きマットが敷かれている。
この足拭きマット、レストランの女性オーナーが用意したもので、店のドアには、
「 店内には一度靴の汚れを落とした後、お入り下さい。ご協力お願いします。」
と書かれている。
今日は天気が悪く、朝から雨が降り続いているため客足が少ないが、ようやくお客様が来たようだ。
学校帰りの大学生と思われる女性2人組がやってきた。
「前に先輩が来たらしいんだけど、ここ美味しいらしいよ。」
「そうなんだ。なんか知ってはいたけど入るのは初めてだな。楽しみだね。」
「あっ。店内には靴の汚れを落としてから入ってくださいって書いてる。」
「今日ずっと雨だったから靴が泥だらけだよ。あ~マットあった、これだ。」
女性達の足元には、全裸にされ手足を鎖で拘束された人間が横たわっていて額にはマジックで「足拭きマット」と書かれている。
首には首輪がつけられ、入口の横にある木に鎖でつながれていた。
女性達は足拭きマットの顔に足をのせると何の躊躇もなく踏みにじり靴底の泥を落とし始めた。
マットは悲鳴をあげ、身体をよじらせるが女性達は気にする様子もなく靴の汚れを落としている。
額に靴底の泥を擦りつけたり、開いた口にかかとを突きたてマットの歯を使って汚れを落としたり入念に靴の汚れを落としていく。
ひととおり、靴の汚れを落とすと、
「よし、だいぶキレイになったし入ろっか。」
「そうだね。」
というと、マットのことは見向きもせず店内に入っていった。
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それから何組目のお客様だろうか。
すでに泥だらけになり、身体中痣だらけになっている足拭きマットを4名の40代くらいの主婦仲間らしき女性たちが使用していた。
ブーツの女性はマットの舌や顔を踏みにじるように靴底の泥を擦りつけ、サンダルの女性は泥のついた足指をマットの口にねじ込み汚れを吸い取らせている。
雨で濡れた傘の先をマットの口に突っ込み雨水を落としている女性もいる。
4人の女性達に取り囲まれ、踏みにじられ、マットはすでにボロボロだが女性たちはまったく気にせず靴の汚れを落としていく。
そして女性達は靴底を確認すると、泥にまみれ、涙を流す悲惨なマットの顔を踏みにじり満足したように入店していく。
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それから十数組の女性客の来店があり、閉店の準備をするため女性オーナーが店の外に出ると、そこには身体中、泥と痣にまみれ、女性達の足跡だらけにされた足拭きマットが転がっていた。
女性オーナーは足拭きマットの顔に足を乗せ、その悲惨な様をながめると、わずかに笑みを浮かべ、
「このマットもそろそろ交換かな。」
とつぶやき閉店の準備にはいった。
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